ブラックペイントカメラと漆文化・金継ぎ文化

M型ライカ、特にM4のブラックペイントで使い込まれエッジが地金の真鍮が露出して金色に輝く様子。シンプルな平面と曲面で構成されたデザイン故に、擦れて艶の出たブラックペイントへの写り込みの妙とエッジの金のラインが見る者を魅了する。これが、レアだけれどもM3やM2のブラックペイントとなると塗料の質が悪く、塗装の剥げ方が汚いのであくまで希少価値として見るしかない。

国産カメラではやはりニコン Fの黒。M型ライカと異なって直線と平面で構成されている。こちらもエッジの金が映えるのだ。この艶のある黒と金のライン。ピアノブラックを思い出すし、ピアノブラックと言えば漆文化が起源だ。高温多湿な日本に於いて高級楽器たるピアノの装飾と耐久性の良さで漆塗りが施されたが、欧州で評判となって今ではピアノと言えば黒。艶のあるピアノブラックなのだ。そして漆と言えば、金継ぎ。割れた椀や皿を漆を接着剤として金で装飾する。本来ネガティブな割れの修理がポジティブな装飾となる。補修する椀や皿のデザインや色により金の濃淡を変えながら、元の価値を落とさずむしろ価値ある一品に昇華する金継ぎだが、あのカメラのブラックペイントに見る真鍮地金の金色ラインは金継ぎを連想させる。

漆のしっとりした黒と金のコントラストが心に響くが、漆文化と金継ぎ文化を育んだ日本人には特に響くのではないか。




_


# by oblivion2077 | 2019-01-11 13:55