<   2015年 11月 ( 3 )   > この月の画像一覧

単焦点レンズ

単焦点レンズなんていらない!という議論があって、決着など付くはずもなく、結局は対立する双方が互いに詰りあうことになるのだけれども、そういった議論・論戦が起こる背景というものは確かにあるはずだ。

現代の高度なレンズ設計技術によるズームレンズの高性能化で、単焦点レンズの存在意義は明らかに見直されている。それは新発売の単焦点レンズを見れば顕著で、大口径でありながら開放からシャープであるとか、ボケがきれいだとか、コンパクトであるとか、何か1点突き抜けた性能を付与されたものが発売されており、従来のような、広角から望遠までの撮影領域カバーの役割を担うようなスペックの単焦点レンズはリニューアルされず、その立場をズームレンズに譲ったカタチなのだ。

a0304647_23292252.jpg


今ではズームレンズ大3元といわれる3本のレンズで通常想定される殆どの撮影領域を写す事のできる14mmから200mmまでカバーできる。従来のような単焦点レンズで置き換えるなら、14mm、18mm、20mm、24mm、28mm、35mm、50mm、85mm、105mm、135mm、180mm(200mm) という実に11本分となる。もちろんズームレンズの焦点距離はシームレスだから、画角のラインナップで考えるならズームレンズの方が圧倒的有利だ。また、昨今の便利ズームでは24~300mmなんかもあって、これなら1本で広角から望遠まで全てまかなえる。

私も、型落ち品ではあるが24~120mm(IF)を使ったことがあるが、それはもう驚愕の便利さだった。

現在、主流は完全にズームレンズとなっていて、そもそもがキットレンズを含めズームレンズしか使ったことがない人が多数だ。それゆえ、単焦点いらない、という結論に至る。当然と言えば当然の結論だろう。しかし、かつて単焦点が主流だった時代、まだズームレンズはただ便利なだけの単焦点に対し劣った描写のレンズであって、ズームレンズに性能を求めれば便利さも失われるほどの巨大なレンズとなっていた。それゆえ、ズームなんていらない、という人が多かった。

単焦点いらない、という議論の根幹は上記の通りズームが高性能になって単焦点を飲み込んだ事につきる。単焦点は必要という主張の根幹は、ズームが抱える問題、開放F値とレンズサイズと重量が単焦点に対して依然劣勢のままであることであろう。
a0304647_2329382.jpg

追加して、この議論がややこしくなるのが、単焦点の味だとか個性だとかの主張だ。単焦点レンズは何かしらの個性を出さなければ高性能化したズームレンズの便利さに飲み込まれてしまうので、それぞれレンズの味とやらが演出される。ましてやオールドレンズに至っては神格化されたものもあって、宗教戦争の様相となりがちだ。個人個人で気に入った焦点距離などもあったりして、この場合は「ズームなんて広角望遠を行ったり来たりのふらふらしたものはもってのほか」となる。最後は50mm標準で勉強すべき、という少々カビの生えた論を持ち出す。

ズームレンズ派はその点冷静で、そんなややこしい思い入れを語るのを聞いたことがない。しかし、食わず嫌いか、バッサリ単焦点の捨てがたい描写を切り捨てる傾向がある。

私自身は単焦点を愉しんでいるので、ズームレンズはほとんど使わない。でも、ズームレンズの便利さはあのわずらわしいレンズ交換で身にしみている。しかし、ズームレンズはどこか業務的で仕事的な感じがして超絶便利だった24~120mmも持ち出していない。何でも撮れるので何だって撮ってしまう、つまり、「ふらふらしている」様な気がしてしまう。実際は、あるロケーションに行くと、アレは広角でここは望遠でなど、頭の中で写真の画として切り取って、手持ちの機材で可能な限りその切り取った画の感じで撮影する。ということは、ズームレンズの方がレンズ交換にマゴつくことなく、タイムラグ無くインスピレーションがホットな内に撮影に入れるので、良い写真が取れそうな気がする。でも、ただ画角が想像した画と合っていれば良いわけではなくて開放F値の描写も欲しいのだよなあ、と以下無限ループ。

個人の中でさえ、結論などでないのだ。
[PR]
by oblivion2077 | 2015-11-17 18:01

忘れたころにレデューサー

ニコンよりFマウントのミラーレス発売が噂されているようだけれども、その元となった情報は10月に公開されたニコンのレデューサーを組み込んだフランジバックの短い35mm F1.0の特許情報らしい。これを使用する想定ボディは短いフランジバックからDXフォーマットのミラーレスと推測された。発表された特許の内容から、35mm F1.0は縮小光学系により50mm F1.4と同等の画角とボケが得られるというものらしい。しかしFマウントという事から、レデューサーを組み込んだFマウント擬似フルサイズのDXミラーレス機とも考えられる、など色々と憶測を呼んだという。

Fマウントミラーレスと聞いて、即座にペンタックスのアレを思い出したのだが、レンズ性能に負担を強いると思われる縮小光学系組み込みは思いつかなかった。従来のFマウントニッコールレンズがそのまま使えて、更にミラーボックス内スペースを利用した専用レンズを新規に発売、と予想というか妄想していたのだ。しかし、今回の光学縮小系組み込みならば、光学系がフルサイズ一眼レフなのでレンズは依然デカイままではないか。AFが前提の現在、モバイル性を阻害するのはボディサイズというよりもモーター内蔵レンズの大きさだと思うのだが、この35mm F1.0で想像するにDXでFXの描写を得る為であって、ダウンサイジングではないような。ファインダーの倍率がセンサーサイズに依存するOVFと違ってミラーレスのEVFならFXの描写さえ手に入ればDXサイズのセンサーでも問題ないし、コスト的、ボディサイズ的にも有利。なるほど、と思うが、さてレンズの大きさが問題。しかしボディとレンズ全体のバランスによってはトータルで使いやすいのかもしれない。いや、発売されると決まったわけではないが。

そんな感じで、すっかり存在を忘れていたレデューサーだけれども、いい加減な性能なら要らないが、高性能なものならちょっと欲しい。先日もD3200に20mm F1.8Gで撮影したけど、同じサイズで擬似FXならと考えると需要を実感できる。

いずれにせよ、一眼レフの代替足るミラーレスは時代の要請だろう。
[PR]
by oblivion2077 | 2015-11-16 17:55

SIGMA 20mm F1.4

シグマが20mm F1.8の後継を発売することは時間の問題だと思われていたし、更にARTシリーズとなることも予想されていた。F1.4も十分予測されたことなので、Art 20mm F1.4の発表は驚きを以って聞くことは無かった。

Artシリーズは現代の、特に単焦点レンズに求められる開放からの高解像度に対応する為に企画されたシリーズなので、50mmはもちろん、35mm、24mmもF1.4の開放からシャープな描写と評価されている。このF1.4開放からシャープな描写を得るために、特に50mmなどは顕著だけれども、そのレンズのサイズ、重さは従来の概念を超える。今回の20mmについても同様で、無理なスペックがレンズのサイズと重量、そして前玉の出目金に現れているようだ。

20mmでF1.4を、Artシリーズの名に恥じない描写性能で発売する為に、なりふり構わないその姿勢は意外に好きだ。なんだかかつてのCanon 50mm F0.95を思い出す。F0.95ありきの製品だったが、そういう無茶を実現する気概は世の中を楽しくするし、生まれた製品はオンリーワンの価値を持つ。だから、20mm f1.4はいつか手に入れたいと思うのだ。しかし・・・

やはり重い。950gだって。これはきつい。Nikkor 20mm f1.8Gが355gだから2倍以上の重さ。そして、最短撮影距離が27.6cmになって撮影倍率が下がってしまった。これも痛い。出目金の前玉も撮影時に気を遣うだろう。

どちらにせよ、Nikkorを買ったばかりなので次はしばらく後かな。それまでは様子見だ。
いつか20mm F1.4の世界は見てみたい。
[PR]
by oblivion2077 | 2015-11-09 00:08