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潮溜まりに見る

引き潮で潮溜まりができると、その中に引き潮で取り残された魚や貝や海老などの甲殻類なんかが居て、天然の生簀のようで楽しい。

中古カメラブームが90年代に起こって、それは機械式のフィルムカメラが(メカ制御が)電子化されて家電化していった中で原点回帰というか魅力あるメカを求めての中古カメラブームだった。これには大前提があって、写真の記録媒体がクラカメと最新カメラ双方が共通の銀塩フィルムを使用している、ということだった。

デジカメが台頭し、中古カメラブームも去った後、しばらくして銀塩写真そのものを懐かしんだり、消え行くフィルムを惜しんだり、はたまた、戦争を知らない子供たち・・・ではなく銀塩フィルムカメラを実体験で知らない若い世代が買い求めて、少しブームが再燃したのだった。

でも、90年代のクラカメブームと決定的に異なるのが、最新カメラはデジタルで画像素子で映像記録し、クラカメは既にオワコンでコストも上昇している銀塩フィルム。酔狂な人々にも我慢の限界があり、今では下火となっている。

そして、クラカメの流通状況にも時代で変化があり、90年代のクラカメブーム時には、売買の主戦場は従来から存在していたカメラ商店で、中古カメラを古くから扱っているところや、ブームに乗って中古販売をはじめたところやなんかが多数あって、カメラ雑誌の後半広告スペースにひしめいていた。

僕自身、この時代のことは知らないが、後にクラカメの事を調べるにあたって昔のアサカメやポンカメを古本屋で購入してみて当時の状況を知ったのだった。当時のクラカメバブルはそれはそれはすさまじかったようだ。

しかし、現在は若者のフィルム離れが進み、クラカメを扱っていたカメラ店も跡継ぎも無く閉店が相次ぎ、消えていった。一方で、混沌とした市場で転売で設けようとするカメラが少しも好きではない方々をはじめとした人々が売り買いするネットオークションがクラカメ市場の主戦場となり、価格も低空飛行を続けている。中にはコレクターアイテムを転売して次の人にバトンタッチしてババ抜きみたいになっているものもある。

先日、新宿マップカメラを数年ぶりに訪れたけれども、当時の気さくな雰囲気は消え、高級品を扱う店構えとなっていた。主力もフィルムカメラの中古ではなく、あくまでデジカメの中古のようだ。店舗のイメージを一新して初心者にも安心できる「雰囲気」をつくっているのだろう。

一方でカメラボックスっていう店が出来ていて(昔からあったのかな?)、そこはまさに潮溜まりであった。

クラカメブームが引き潮のように去ってしまった後に、あたかもそこだけはブームの真っ只中であるがごとくの店内雰囲気。雑然としているけれども何か面白い物件が転がっているかもしれないというわくわく感はある。※しかし、じっくりみると、もう既にいろいろと買ってしまった自分にはほしいものが無かった。
店主や従業員と、年配の客との会話が聞こえてきたが、会話の内容はまさにクラカメブーム継続中であった。

ついていけない・・・・。と思いながら店を出た。自分のクラカメブームは新宿マップカメラで始まった。そこからさまざまな機械式カメラを入手したり売却したりした。身の丈にあった範囲では、大概のものを入手して一度は触れてみたりしたので、なんだか燃え尽き症候群のような状態になっている事を、ここ新宿で再確認することとなった。

新宿に始まり、新宿に終わる。
まあ新たに購入する意欲は消えたが、まだまだモノとしてクラカメは好きなんだけれどもね。
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by oblivion2077 | 2015-06-03 17:46