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SIGAM 20mm F1.8EX DG RF とアナモルフィックレンズ

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フリマでそれが何かわからず購入したアナモルフィックレンズ。Kowa製の8mmフィルム映写機用と思われるレンズで、映写レンズ前に装着するアダプターなのでレンズというよりプリズムだね。

このレンズが何かわからず、鏡胴に刻印された表記を元に調べていくうちにアナモルフィックレンズだとわかった。じゃあそのアナモルフィックレンズとは何か、と調べていく内にアナモルフィックレンズの描写に惹かれていくのだった。

アナモルフィックレンズで撮影すると、横が圧縮された像となる。横が圧縮されると人の姿は縦にビローンと伸びた状態で映る。これを映写の時に横に広げると、ビローンと縦に伸びた人の姿は普通の形に戻り、一方で全体としてはおなじみのシネスコの横長アスペクト比となる。

アナモルフィックレンズで撮影すると、単に横長になるだけではない。像を横に圧縮する特殊なプリズムによって、独特なボケ、そして強い逆光の点光源からは、横方向に長く伸びたフレアが生じ、また、ゴーストも通常のレンズとは異なる形で生じる。周辺光量低下も円形ではなく横長アスペクトに沿って生じる。これらすべてが総合的に作用してあの映画独特な雰囲気を作り出す。そんなアナモルフィックレンズを知り、感動したのだった。

しかし、アナモルフィックレンズは本格的な映画用は個人所有は無理なくらい高額で、代わりに中古に出回っている映写機用のフィルタープリズムを50mmレンズの前に固定して撮影する方法が知られている。これがやっかいで、とても通常の撮影につかえる使い勝手にはならない。アメリカではアナモルフィックぽい感じに写る専用のフィルターもあるようで、日本でもぜひ発売してほしいものだ。

一方でシグマ 20mm F1.8EX DG RFだけども、このレンズで近景を撮ると周辺光量落ちし、強い像面湾曲で思わぬところにピントが来たり、その逆だったり、妙な非日常的な雰囲気を醸し出す。アナモルフィックレンズとは直接関係無いのだが、醸し出す非日常的な雰囲気には共通点がある。おそらく、記録、という面から捉えるとこの20mm F1.8は不向きかもしれない。しかし、普通の風景を見慣れないものに変える力は、アナモルフィックレンズ同様に代えがたいものがある。話題のAF-S Nikkor 58mm F1.4Gは収差を抑え込み、一方でボケの描写を重視した。これも非日常を作り出す演出。人の目はボケを注視できないし、極近くを見ない限り、見える風景はパンフォーカスだ。美しいボケは十分に非日常なのだ。

アナモルフィックレンズも、偏った収差と広角大口径も、高性能現代レンズも、非日常を見せてくれる強力な魅力がある。
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by oblivion2077 | 2013-12-27 17:36

DfとDP-2

Nikon Dfのペンタ部はFM系をモチーフに造られているのだが、Nikon FMのペンタ部のスリムな形状とは程遠いボリュームのあるデザインとなっている。単純な中央部重点測光の素子を2個、接眼部に忍ばせて、直読式の絞り値表示窓を設けるだけのFMと異なり、最新の測光機能とファインダー内表示を行うDfでは使用する空間が異なり、どうしてもDfは大きくなるのだろう。だがFM系を連想させるデザインが故に違和感も強くなるのか、この違和感がDf全体のコレジャナイ感の源となっているように思われる。Dfペンタ部のボリューム感の源は、Nikonの旧ロゴのある銘板から丸窓の接眼部にかけて、徐々に末広がりになっているラインにある。ペンタゴナルプリズムを内包するペンタ部は、そのプリズムの形状を写し取るのが通常であった。極端な例はNikon Fのペンタ部で、三角に尖ったペンタプリズムそのもののデザインであった。ペンタプリズムは銘板側から接眼部側にかけては徐々に細くなっていく形状をしている。Dfは色々詰め込んだ為に、細くなるべき部分が膨らんだ、通常の逆のデザインになっているのだ。

前述の通り、これは素朴なメカカメラの時代とは異なりペンタ部内部に高度な露出計やファインダー内表示を設置する為に肥大化したのだが、かつて、メカカメラ時代にも同様な事が起きており、Nkon FやF2のフォトミックファインダーシリーズがそれにあたる。それらデザインの当時の評判は芳しくなかったようだが現代ではその無骨さがかえって評価されている。その無骨なファインダーシリーズ中でも見た目のボリューム感という点でnikon Dfと似たファインダーがあった。

それがこちら。

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Nikon F2 Photomic Sのファインダー。型番はDP-2となる。ペンタ部を大きくしたのはカニの爪に連動させた露出計、機械的なシャッタースピード優先AEに対応する為の機構、そしてSPD素子とそのLEDファインダー内表示。当時の先端記述を詰め込んだことで肥大化したのはDfに似ている。デザイン的にはDP-2の左側面の疑革部分のノッペリした感じだろうか。ここがボリュームを感じさせる。

しかし、DfとDP-2の根本的に異なる部分は、DP-2のデザインはやはり内部のメカの制約を大きく受けている為、図らずも機能美が備わっている事。あのゴツゴツとしたDP-2のデザイン。シャッターダイアル横の小さな疑革は、デザイン上の本来のあるべき姿と、内部のメカとのせめぎ合いを感じさせる。本当は左右対称にしたかったのだろう。でもメカがそれを許さなかった。その名残があの小さな疑革なのだろう。

このあたりが、必然から生まれたデザインと、コンセプトから導き出した人為的なデザインとの差だろう。本当はこうしたかった。でも内部にこの機構を入れるとこうなっちゃいました。これが見た目に分かるようなデザインなら、パッと見でブサイクでも意外に納得したりするのだ。
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by oblivion2077 | 2013-12-25 11:39

ヴィンテージ

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中古カメラの相場は、限定品で生産台数が少ないとか、現存数が少ないなどの希少性を除くと概ねそのカメラの状態で決まる。程度と言い換えもできる。それは新同、美品、良品などとグレード分けされ、それぞれのグレードに応じた価格が付けられる。新品同様、つまり新同品が最も高い。そこから程度が落ちるほどに価格も落ちて行くのだが、パッと見で判断の付きにくい内部のメカの状態よりも、目で見てすぐに判断できる外装の状態が相場を大きく左右する。特に鑑賞の対象となるライカなどはその傾向が強く、傷1つ1万円とか言われた時代もあった。

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外装はキレイな状態が良いとされ、新品同様の外観程、好ましいとされる。真新しい外装の雰囲気に、現役で販売されていた当時に思いを巡らせることもできる。乱暴に扱われてくたびれたモノよりも、痛みの無い新品のような状態は確かに価値があると思うのだが、一方でブラックボディが大切に使い込まれて角が擦れて下地の真鍮が見える状態には味がある。新聞社社員の報道カメラマンが社の備品を単なる道具として乱暴に扱って傷だらけになったモノは別な嗜好かと思うが、大切にしながらも多くの現場を渡り歩いた記憶が刻まれた傷を持つカメラには、やはり美が宿るように思われる。多くが認めるその感性が有りながら、実際の流通はミント状態程価格が高いことが多い。

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ヴィンテージという概念がジーンズなどの衣料品には顕著で、使い込まれた状態をデザインとして珍重する。その価値観は価格にも反映され、口先だけではなく、実際の財布の痛みを伴いながら相場が形成されている。場合によっては、ヴィンテージ風としてあえて傷み加工をするほどなのだ。

そろそろ中古カメラにも、特にブラックペイントのボディに対し、ヴィンテージという概念を適用してもいい気がする。そして時代なりに刻まれた傷も積極的に評価してほしいものだ。
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by oblivion2077 | 2013-12-22 00:11

Canon AutoBOY D5

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Canonのデザインは時に(自分の中で)ヒットする。このD5も形状、カラーリングとも楽しく、目に嬉しい。

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ボタン類も大きく、水中で操作しやすい。機能美を備えたデザイン。
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ファインダーの対物側がボディの白色の為に内面反射を誘発してコントラストが低いのが難点。
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by oblivion2077 | 2013-12-17 00:43

風景

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さて、外装を敢えて真鍮にするのはどういう理由からだろうか。

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塗膜についたキズ、塗装の剥がれにより金色の地金が露出する様、摩耗して艶の出た塗装面に風景を見る日本人ならではの感覚がそうさせるのだ。
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by oblivion2077 | 2013-12-17 00:25

白から黒へ

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勢いで買って、しかし同じものを複数所有している為に売却したNikon Fのクロームシルバーボディの代金を受け取ったその日に、Nikon Fのブラックペイントを発見し、受け取った代金で購入。おつりが1500円くらい。つまり、売った白より黒が安かったという幸運。

見た目はかなり汚れていて、白文字も黄ばんでいたけれども清掃できれいになった。
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by oblivion2077 | 2013-12-15 20:50

巻き上げの話

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LeicaM3の巻き上げは官能的と言われているが、実際巻き上げてみると非常に心地よい。巻き上げ初めから終わり直前まで一定のトルクで、最後に微妙な抑揚があって完了する。このリズムも含めて心地よい。内部で何がどうメカニカルに動いているか、知っているわけではないが、指先に内部の動きが伝わってくる。機械モノを操作する喜びが感じられるのがM3の巻き上げと言える。

しかし、Nikon F2だって負けてはいない。M3に対抗して極限まで軽い巻き上げに挑戦したNikon F3の事ではなくF2の方。F2だって、ミラーボックスを降ろした状態で巻き上げるとM3に負けない軽やかで滑らかで官能的と表現しても良い素晴らしい感触が味わえる。如何せん、そこは一眼レフ。ミラーチャージという負担が巻き上げに加えられる事によって、最終的に巻き上げ全体が重くなるのだ。

そんな中でも、奇跡的に軽やかな個体もあるようで、今までのべ40台くらい購入した経験では、1台だけ、抜きん出て軽やかなものがあって、そのF2はあまりきれいな外装ではないが売却せずに保存している。F2は巻き上げ初動、少しトルクの山があって一旦軽くなり、最後に押し込んで終了する。巻き上げのエース級F2は、このトルクの山が低いのはもちろん、トルクの山から軽くなる過程が滑らかで心地よく、また内部のメカが複雑な連携を取りながら動く様が微細な振動で伝わって、巻き上げの精密感を堪能できる、そんな貴重な個体なのだ。単純な巻き上げの軽さなら、同じものは多いが、この微妙な味付けの部分で差が生じている。これは調整で出せるものだろうか。

F3の巻き上げはモータードライブ使用を前提としたメカへの負担軽減が目的でもあったので、その軽さは驚異的であるが、決して官能的ではなかった。あくまでフィルム無しの状態だけれども、巻き上げるとすーっと、何の抵抗も無く巻き上げられる。無味乾燥な感じなのだ。

すごい技術なんだけどもね。
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by oblivion2077 | 2013-12-15 18:43

Nikon F2の残響音

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Nikon F2 Photomic Sを購入。このF2は傷だらけな上、積もり積もった汚れでかなり汚い。まず擬革を塩素系の洗剤できれいにする。茶色の液体となって汚れが落ち、擬革のくすみが取れて黒が締まって見えるようになった。特にウラブタが汚いとファインダーを除く際に顔を直付けするので危険である。次に巻き上げが固いので各部注油する。完璧とはいかないまでも巻き上げのゴリゴリ感が無くなった。しかし、シャッターを切るとキーンという残響音する。これが結構気になる。F2を良く知らず、機械式カメラだから金属音がして当然と思っている人もいるようだが、これはしてはならない音なのだ。ましてや、このキーン音を評価する意見は論外であるのだ。

そのキーンという音はどこから来るのか。それはミラーアップすると予想がつく。ミラーアップするとシャッターを切った後の残響音はしないのだ。

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ミラーアップするとキーンという残響音がしないということは、ミラー周りにその原因があるということ。ミラーを指で持ち上げ、パッと放すとミラーが元の位置に戻り、その際、「受け」に当たってキーンという音がする。今度はミラーアップしておいて、この「受け」部分を指で弾くとやはりキーンという音がする。原因はこの部分と判明するのだ。

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原因はミラーボックスの外側、つまりボディの内部なので、残響音を解決するにはミラーボックスを降ろさなくてはならない。

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ここが「受け」部分の裏側。ミラーがこの「受け」に着地した時、衝撃を吸収する為にバネが仕込んであるが、このバネが振動してキーンという音がする。しかし、このキーン音を抑え込むためにミラーボックスとバネの間にモルトを挟んでいるのだ。これが経年変化で腐食すると、バネの抑え込み効果が無くなって、キーン音を発するようになる。

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加水分解で劣化し、乾燥してカサカサになったモルトを取り除く。きれいに掃除をした後、再びモルトを挟んでやると、あの嫌なキーン音が無くなる。

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ミラーボックスを降ろしたついでに、ミラーチャージのレバーにモリブデングリスを塗って巻き上げを更にスムーズにする。ここはミラーボックスを降ろさなくても、軍艦部右肩のカバーを外せば露出するが、F2のブラックボディは巻き上げレバーの飾り蓋が固着して外れない事が多いので(このF2もそうだった)、いい機会であった。

750万台前後のF2が最も好きだ。780万台あたりになるとコスト削減のパーツが使われたりしているし、710万台だとまだ粗削りだし。脂がのっている時期が750万台なのだ。
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by oblivion2077 | 2013-12-15 02:53

PC nikkor 35mm f2.8

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イメージサークルが大きいことで画質に有利と言われている。F値も2.8だし、無理がない。

しかし、一番はこの形状。NewタイプのPC Nikkor 35mm F2.8ではこのメカメカしさは出ない。このメカメカしいレンズを、これまたメカメカしいNikon F Photoic+F-36モータードライブに装着。


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by oblivion2077 | 2013-12-07 20:37

ローライ 35

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ローライ35を使う萌えアニメがあったそうで、その為少し注目が集まったといわれる。

このカメラの外観は、機械的な制約と工業デザインが調和した好例で、古き良き時代の象徴ともいえる。35mmフィルムをフルサイズで撮れ、かつこのサイズ。操作性は二の次で、各操作装置はサイズダウンの都合で配置されている。グリップがない!なんて言う奴もおるまい。

ここまでコンセプトがハッキリして、そのコンセプトに忠実な造り。だからこそ、存在価値がある。
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by oblivion2077 | 2013-12-05 18:05