Nikon F2の残響音

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Nikon F2 Photomic Sを購入。このF2は傷だらけな上、積もり積もった汚れでかなり汚い。まず擬革を塩素系の洗剤できれいにする。茶色の液体となって汚れが落ち、擬革のくすみが取れて黒が締まって見えるようになった。特にウラブタが汚いとファインダーを除く際に顔を直付けするので危険である。次に巻き上げが固いので各部注油する。完璧とはいかないまでも巻き上げのゴリゴリ感が無くなった。しかし、シャッターを切るとキーンという残響音する。これが結構気になる。F2を良く知らず、機械式カメラだから金属音がして当然と思っている人もいるようだが、これはしてはならない音なのだ。ましてや、このキーン音を評価する意見は論外であるのだ。

そのキーンという音はどこから来るのか。それはミラーアップすると予想がつく。ミラーアップするとシャッターを切った後の残響音はしないのだ。

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ミラーアップするとキーンという残響音がしないということは、ミラー周りにその原因があるということ。ミラーを指で持ち上げ、パッと放すとミラーが元の位置に戻り、その際、「受け」に当たってキーンという音がする。今度はミラーアップしておいて、この「受け」部分を指で弾くとやはりキーンという音がする。原因はこの部分と判明するのだ。

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原因はミラーボックスの外側、つまりボディの内部なので、残響音を解決するにはミラーボックスを降ろさなくてはならない。

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ここが「受け」部分の裏側。ミラーがこの「受け」に着地した時、衝撃を吸収する為にバネが仕込んであるが、このバネが振動してキーンという音がする。しかし、このキーン音を抑え込むためにミラーボックスとバネの間にモルトを挟んでいるのだ。これが経年変化で腐食すると、バネの抑え込み効果が無くなって、キーン音を発するようになる。

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加水分解で劣化し、乾燥してカサカサになったモルトを取り除く。きれいに掃除をした後、再びモルトを挟んでやると、あの嫌なキーン音が無くなる。

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ミラーボックスを降ろしたついでに、ミラーチャージのレバーにモリブデングリスを塗って巻き上げを更にスムーズにする。ここはミラーボックスを降ろさなくても、軍艦部右肩のカバーを外せば露出するが、F2のブラックボディは巻き上げレバーの飾り蓋が固着して外れない事が多いので(このF2もそうだった)、いい機会であった。

750万台前後のF2が最も好きだ。780万台あたりになるとコスト削減のパーツが使われたりしているし、710万台だとまだ粗削りだし。脂がのっている時期が750万台なのだ。
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by oblivion2077 | 2013-12-15 02:53
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